スマホはヤバすぎる
スマホは便利だ。いや、便利すぎる。(iPhoneユーザーなので以下iPhoneに関して)
朝は「時計」のアラームで目覚め、今日の「天気」や「Yahoo!ニュース」を確認し、電車の時刻や道案内は「乗換案内」や「Google Maps」に任せ、「Spotify」や「Apple Music」を聴く。予定は「Google Calendar」が把握してくれている。
連絡は「LINE」や「Messenger」や「Slack」や「Gmail」や「Chatwork」、計算したければ「電卓」で、「カメラ」で写真を撮り、支払いは「PayPay」や「LINE Pay」、買い物の記録は「MoneyFoward」で、分からないことがあれば「Hey Siri」と言ってみたり「Google」を立ち上げてみたり。欲しいものがあれば「Amazon」で何度かボタンを押せば数日以内に家の前に荷物が届いている。
スマホ自体は日常生活を送る上でもはや欠かせないので手放すわけにはいかない。
街を歩けば、電車内を見渡せば、皆スマホとにらめっこしている。月並みだが十数年前には有り得なかった光景だ。
だが、あまりにも身近すぎるがゆえ、そして手軽にアクセスできるコンテンツが豊富すぎるゆえ、目的もなく、ダラダラとコンテンツを消費し、時間を浪費してしまうのは造作もない。
特にヤバいのは「SNS」と「YouTube」と「映画」と「漫画」と「ゲーム」だろう。無料で使えるものが多く、際限がない。
例えば1日あたり2時間でも、2時間は1日の12分の1だから、1年で見れば1ヶ月分。起きている時間が1日あたり16時間なら、8分の1。
「それって相当ヤバくないか?」などと言う人もいるだろう。
いや別に人間は常に1つのことしか処理できないわけじゃないんだから、トイレや風呂や移動などという他のタスクをこなしているときに観たり聴いたりしている分にはいいんじゃない?と私は思う。
問題はそれ以外の時間だ。可処分時間を溶かしすぎる。
意思の力だけでは対処しにくい
「もっと生産性を上げていきたい」
「だからスマホを無為に弄らないようにしたい」
「SNSを見る時間、ゲームする時間を減らしたい」
向上心のあるスマホユーザーなら一度は思ったことがあるだろう。
気を付けようと思っていても、また集中力を切らして、いつの間にか脇に置いていたスマホに手が伸びてしまっていることに気が付く。
いや、気付きすらしないかもしれない。もはや完全にクセになっている。虜になっている。
意思の力で抗うのは簡単ではない。「設定」→「スクリーンタイム」→「App使用時間の制限」で特定のアプリの一日あたりの使用可能限度時間を設けたところで、結局延長してしまうのが関の山だ。
スマホを一定時間閉じ込める箱もあるそうだが、費用がかかる上に不便だ。急な用事で外に出かけることになったら対応できない。(電話だけは対応できるタイプのケースもあるが、やはり柔軟性に欠ける)
環境をマイルドに変えていく
ならばマイルドに環境を変えよう。人生を食い潰すアプリたちはスマホ上からとりあえず排除するのだ。
「いやいや、データとか消えるの嫌だし、また使う必要があるときに再インストールしてログインしなおすの面倒だし」
問題意識を抱いたところで、そんな理由からアプリを残し続けている人は多いのではないだろうか。
いきなり絶縁するのは難しい。そのアプリに一応の有用性があるなら尚更だ。ここで大切なのは縁を切ることではなく、付き合い方を改めることだ。今すぐ実践できる3ステップを紹介する。
まずオススメするのが「アプリを取り除く」機能だ。iPhoneでの話だが、Androidにも同様の機能があるかもしれない。
iPhoneの場合、「設定」アプリを開き、「一般」から「iPhoneストレージ」へと進む。そこで表示されるリストの中から問題意識を抱いているアプリを開き、「Appを取り除く」をタップする。
するとアプリ上で記録されたデータは保持されたまま、再インストールしなければ使えない状態にすることができる。また嬉しいことに空き容量が増える。タップすると再インストールが始まってしまうとはいえ多少の時間がかかるし、Wi-Fiがない限りは通信データを消費するので、そこで我に返ってキャンセルするというアクションを取りやすい。アプリ起動のハードルと、立ち止まる時間を作るわけだ。
クセを抜いていく
しかしそれだけでは不十分かもしれない。そこで、アプリを取り除いたうえで、ホーム画面上ではまだ残っているそのアプリを別の場所に移動し、スマホを開いたときに脳死で当該アプリをタップしてしまう可能性を下げる。
最初のうちは、無意識レベルでそのアプリがあった場所をタップしてしまっている自分に気付くだろう。それほどに体に染み込んでしまっているのだ。
そうこうするうちに、次第に脳と体が学習していき、無意識にそのアプリを立ち上げようとするクセ・習慣は薄れていく。
リハビリ期間を経て、クセが抜けたら、再インストールするなり、そのままにしておくなりまた考えればいい。今考えるべきは、クセ抜きだ。まずはクセを抜こう。
クセの代わりとなる行為を設定する
クセが出てしまいそうになったとき、その直前の行動(あるいはやるべきこと)へと毎回意識を戻す(移す)のは容易ではない。10回のうち少なくとも1回は、まあいいやと思ってそのまま欲求に従ってしまい、結局数日と経たずにすっかり元通りだ。
無意味にスマホに手を伸ばそうとしてしまった自分に途中で気が付いて手を引っ込めたところで、急に手持ち無沙汰状態になってしまった反動で、引っ込めた手をまたスマホに伸ばしてしまうかもしれない。
だから、スマホに触れない代わりに、別の行動をセッティングする。具体的には、手の甲やら紙やらにボールペンなどでその都度チェックを入れることだ。
代替行為としての「書く」というミッションを自らに与えることで、単純に手を引っ込めるよりも自分を落ち着かせやすいし、気持ちに区切りをつけやすい(ワンクッション)。
同時にクセの出方を記録する
例えば欲求に負けてスマホに手が触れてしまったときは右手の甲に一本の線を引き、手を伸ばしそうになった(あるいは伸ばしたもののスマホを開かずに引っ込めた)ときは左手の甲に一本の線を引く。
よくあるように「正」の字を作っていけばいいだろう。回数が多すぎてすぐに埋まってしまうような中毒者は他の漢字(「音」や「竜」など)の使用も検討されたい。
それらを記録すれば、いかにクセが自分に染み込んでいるのかを可視化でき、問題意識が維持されやすくなる。日を追うごとにその回数が減っていけば、前進感・達成感が得られやすいだろう。
より効果的にクセを抜く上で、自分のクセを客観的に測るという行為は意義深い。
手が伸びそうになったときにスマホに手が触れる前にクセを自覚するためにも、スマホは手を伸ばしても触れない距離に置いておくのがよい。
アクションまとめ
- つい時間を浪費してしまうアプリを「取り除く」
- その上でアプリの配置を変更する
- 無意識にアプリを開くクセを抜いていく
- クセの代わりとなる行為を設定する(書く)
- クセが出そうになるたびに記録して自覚を深め、回数を減らすよう努める
アプリで時間を浪費してしまうことに問題意識を抱いている人はぜひ一度実践してみてほしい。
2020.10.15
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