このページを見ているということは、きっとあなたは「佐白山の笠間トンネル」に肝試しに行こうと思っているのだろう。
あの地に三度足を踏み入れた私が、アクセスや雰囲気などをお伝えする。
アクセス
トンネルは、笠間市笠間佐白山の中にある。
ルートが少々ややこしいので、Google Mapsでここに目的地を設定することを推奨。
「笠間 大黒石」と入力すれば出てくる。
この岩を過ぎて少し進むと、右手に少し勾配のある道が見える。
そこを上ると、広い駐車場がある。そこに車を停める。
トンネルに続く遊歩道は、この駐車場からはじまる。
駐車場に到着
2016年2月、大学の友人3人(K、T、M)とレンタカーを借りて、茨城県のつくば駅あたりから向かうこと約1時間、夜21時半頃に佐白山麓に到着。
車で山を登るにあたって、ボルテージを上げるために、それまで流していたテンション高い系の曲を切り替え、もののけ姫の「タタリ神」をかけた。
するとKが本気でビビりはじめたので、彼の故郷・沖縄出身の歌手グループである「かりゆし58」の曲を安定剤的に挟むなどしてあげた。言うまでもなく、私は優しい。
このあたりは霧の発生が珍しくなく、この日は数メートル先しか見えなかった。
良い雰囲気を醸し出してやがると興奮しつつ、内心ビビっていた。
駐車場を見つけて車を降りる。遊歩道の入り口が見える。
車で入ろうと思ったが、車進入禁止の表示が。
「事件・事故防止のため」と書いてある。
確かに道は狭く、悪天候も相まって、進むのは難しそうだった。
トンネル中央部でクラクションを三回鳴らすと怪奇現象が起こるという噂があり、念のため検証しようとしていたのだが、断念した。
遊歩道へ
凄まじい霧と雨の中、ライトを照らして遊歩道を進んでいく。
木で空が覆われていて、ライトを消すと何も見えない。
少し入ると、「笠間城跡」などと刻まれた古びた石碑が左手に現れた。
辺りにはいくつもの木が切り倒されたまま放置されている。
また、心なしか木々の通常サイズより大きく感じられる。
大黒岩もそうだが、山の上なのになぜか巨岩がたくさん転がっている。
武士のいた時代に、戦闘のために運ばれたものらしい。相当な労力を要したに違いない。
私はともかく他の三人はかなりビビっていたようで、Mは沈黙が生まれると「沈黙やめよう」などと真顔で焦っていた。
我々はしりとりをすることで緊張を緩和した。
突如現れるトンネル
歩き始めて20分ほど経った頃。
しりとりをする我々の左手に突如、人工物が現れた。
笠間トンネルである。
あまりにも急に出現したため、四人とも心の準備が出来ておらず、一斉に戦いた。
純自然の中に急に人工物が現れたからなのだろうか、その光景に違和感を覚えた。
トンネル付近だけが、なぜか空気が違うように感じられた。やけに静寂に包まれていた。ラピュタのあの変な機械に遭遇したみたいな気分になった。
チキンなKとTはトンネルに入るのを拒みだし、引き返そうと言う始末。
なんとか説得して、進む。
トンネルの中をゆく
内壁には無数の落書きがあり、不気味さを助長していた。
地面は少しぬかるんでいて、ビチャビチャという足音が響く。
そのせいで後ろから誰かが歩いてくるかのような錯覚に見舞われ、何度か振り返った。
トンネル内は少し傾斜していた。
再び霧の中に身を放つまで、皆一様に相当緊張していた。
落ち武者や女性の霊が見られるという噂があったが、もちろん何も見えなかった。
ちなみに、トンネル付近に井戸があるという話だったが、探すのをすっかり忘れてしまっていた。
そのあと、同じような道をしりとりしながらひたすら歩き続け、駐車場に戻った。
事件勃発
事件はここで起きる。
車が発進しない。
エンジンはかかるのに車のタイヤが微動だにしない。
トンネル内でクラクションを三回鳴らすと車が動かなくなるとは聞いていたが、なぜここで…。
助けを呼ぶハメになるのだろうか…。
離れている間に誰かが弄ったのか、それとも…。
その後、どうやら雨が降りすぎてぬかるんだ地面にタイヤがめり込んでいるらしいことが分かったが、空回りもしないなんておかしい。
Tに交代したところ、タイヤが動いて脱出できたのだが、その場で再び運転を代わると、エンジンはかかるのに車が動かない。
あれ、なんでだ?と焦ること数分、パーキングにした状態でエンジンをかけていなかったのが原因だと分かった。
最初にタイヤが動かなかったのもそれ。
アホか。
余談
この佐白山、神隠しに遭いそうな気分にさせられるほど神秘的な雰囲気があった。霧のせいでもあるだろう。
夜は心霊スポット感が強いが、日中はハイキングを楽しめる。
ただ、トンネルは日中でもヒッソリしててかなり不気味である。
この山の上には笠間城跡地があり、今は佐志能神社が鎮座している。
東日本大震災で崩れ、城壁がボロボロになっている。こちらもまた趣き深いものとなっている。
また、佐白山のすぐそばにある「笠間稲荷神社」は、全国に何万もあるとされる稲荷神社の頂点「日本三大稲荷」の一角として数えられることもある。
その辺りの街並みはなかなか情緒がある。併せて訪れてみることを勧める。
2016/??
2017/11頃 更新
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