もう観る気にはなれない暴力系胸糞悪いトラウマ鬱映画3選

映画

最近久しぶりに胸クソ映画に邂逅したので、これを機としてこれまでに観た中でも胸糞度合いの高かった映画を3つ紹介することにする。

アレックス(原題: Irréversible) 2002年 フランス

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2002年のフランス映画。セリフは即興がほとんどとのこと。アレックスとは主人公の名前。原題はIrréversibleで、取り返しがつかないという意味。

子供をお腹に授かり幸せな日常を送っていた女性が突然悪夢のような暴行に遭い、激怒した夫が復讐のために凶行に走るというもので、99分の尺の中に半日以内の出来事が詰め込まれている。
特徴的なのは映画「メメント=モリ」と同じく時系列が逆になっていることで、物語は夫の復讐にまつわるシーンから始まり、幸せな日常のシーンで終わる。

アレックスを演じるのはイタリアの宝石とも言われた女優モニカ=ベルッチ。2014年頃、物議を醸したという本作への興味、そして彼女見たさに鑑賞したところ、エグすぎてショックを受けた。路上でのレイプシーンがノーカットで9分ほど続く。

一瞬で、一つの選択次第で、何もかも一変してしまうというリアルが強烈に感じられた。性犯罪に限らず、多くの事件や事故において言えることだ。ショッキングだが、多くの人が見るべき作品だと思う。多くの映画祭で受賞・ノミネートした。

余談だが、倒れた彼女の頭を暴漢が蹴り飛ばすシーンでは一瞬だけ早送りされており、勢いよく蹴られているように見える(cf.DVD収録のメイキング映像)。余談だがこの手法はその後個人的な映像制作の際に多用した。

父の秘密(原題:Después de Lucía)2012年 メキシコ

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2012年のメキシコ映画。原題はDespués de Lucíaで、意訳すると「ルシア亡き後」。

料理人のロベルトは、妻ルシア(Lucíaとはスペイン語で光を意味する)を事故で亡くしたショックから立ち直れずにいたが、再出発のために高校生の娘のアレハンドラとともに首都メキシコシティに引っ越す。しかし彼の状況はあまり変わらず、自暴自棄になり余裕を失っていた。一方のアレハンドラは転校先の学校で馴染んでいくが、ある事件をキッカケにいじめの対象となる。自分のことで精一杯の父ロベルトに心配をかけまいと、アレハンドラは一人で抱え込んでしまう。観客は最後にタイトルの意味を知る。

2016年頃、TSUTAYAで見かけて前情報なしにレンタルしたが、いじめのシーンがかなり悲惨(集団で囲んで食べ物をぶつけまくる、尿をかける、レイプなど)で、非常に胸糞が悪くなった。日本含め、世界中にはこんな酷いイジメで苦しんでいる若者が腐るほどいるのだろう。

当時知り合ったメキシコ人に「メキシコではイジメが問題になっているのか」と尋ねたところ、もちろん学校によるが酷いところはかなり酷いとのこと。例えば私立校でお金持ちの子が虐められたり。メキシコだから特段酷い傾向にあるとかはよく分からない。いじめというものはどこでも起こりうるものだが、こうも凄惨なものであれば、一生モノの傷を負うことになるし、全国の児童生徒がいじめを苦に自殺してしまうのも納得できる。

映像が落ち着いていて綺麗なのが印象的だった。2012年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞。

ロサンゼルス女子刑務所(原題:Jailbait)2014年 アメリカ

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2014年のアメリカ映画。原題はJailbait。刑務所の餌という意味。

チェロ奏者であり音楽大学への進学が濃厚だった優秀で美しい高校生アナは、幼い頃から義父により日常的に暴行を受けていた。ある日、そんな義父に抵抗した拍子に彼は不運にも死んでしまう。

アナは裁判で事情を述べるが、義父の蛮行を認めたくない母にすら味方してもらえず、ロサンゼルスの女子少年院に4年以上入ることが決まる。(刑務所ではない)

院内には札付きの悪たちが幅を効かせており、優等生のアナは完全に浮いていた。一人にしてほしい彼女の思いとは裏腹に、とある白人派閥と黒人派閥に早速目をつけられて巻き込まれていく。他の少女たちによる暴力は日常的に繰り返され、人格が破綻した院長は助けてくれるどころかカラダを要求してくるなど、理不尽な目に遭いつづけた結果、現実逃避に施設内で蔓延するドラッグを始め、ドン底まで墜ちていく。この過程がなかなか胸糞である。

公開当時にある全国紙に少し取り上げられているのを見て気になっていたので最近観てみたところ、思いのほか理不尽な暴力・暴行シーンまみれであった。また、脱ぐシーンとレズシーンがかなり多い。あまり評価の高い映画ではない。

いずれももう観たいとは思わないような胸糞映画だが、弱者に対する一方的かつ理不尽な暴力の惨さを多くの人が今一度認識するために、あえて鑑賞を勧めたい。

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