立食パーティなど、大勢が集まるパーティや飲み会は苦手だった。
・人が大勢いるので誰と話せばいいか分からない
・どんなことを話せばいいか分からない
・その場にいる人に興味を抱けない
他にも理由はいくつもあったが、これらが主な理由だった。私は比較的内向的な人間だ。
2017年秋、運営に携わっていたトークイベントのアフターパーティ(立食系式)があったが、やはり上手く立ち回ることができなかった。
後日、世界を旅しながらプロギャンブラーとして生計を立てている人がその場にいたという話を耳にした。特徴を聞くと、その場で見かけはしたものの話さなかった人だった。
まさかその人がそんな特殊な人だったとは思わなかったので、驚いた。
話しておけば良かった、と後悔した。
そこから得た教訓。
「周りにいる人たちは皆、自分にとって何かしら興味深い一面を持っている(に違いない!)」と考える。
そう考えれば、話しかけない理由はない。
しかし、そうはいっても誰に話しかければいいか分からず、恥ずかしさもあって尻込みしてしまう自分がいた。
その年の終わり頃、成り行きで都内のとあるトークイベントに参加したとき、隣の人と「自分のコンプレックス」について話し合う時間が数分設けられた。
私はそのとき、隣にいた女性に
「パーティが苦手なんです。何を話せばいいか分からないし」
と話した。
そのイベント後の立食パーティで、その方から
「分かるよ、私もそうだった。誰に話しかければいいか分からないんだよね」
と言われ、ハッと気付いた。
「誰に話しかければいいか分からないんだったら、誰でもいいからとりあえず話しかける相手を決めてしまえばいい」と。
その発想に至ってからは、その場を楽しく過ごすことができたし、そのお陰でその後に繋がる出逢いにも恵まれた。
私はそれ以前にヒッチハイクをたくさんしてきたが、見た目は強面だったり無愛想だったりしても、意外と乗せてくれたりフレンドリーだったりする人が多いことを実感してきた。
だから、見た目や雰囲気など気にせずに、とにかく決断して誰かに話しかけてみる。
相手も同じ人間であるし、そもそもパーティの場にいるのだから、人嫌いというわけでもないだろう。
誰とも話せずにいると次第に硬直していき、状況はますます悪化していく。
選択肢が多いとき、人は迷い、行動に踏み出しにくくなる。
しかし、選択肢が絞られていれば、迷いは薄れ、行動しやすくなる。
とはいえ、どんなに魅力的な人と出会って話してみても、その人が積極的に自分自身を発信するとは限らない。
誰しも、多少なりとも興味深い一面を持っている。それを掘り当てられるか否かが、結果を大きく変える。
そこで重要になってくるのは「相手の魅力を上手く引き出して、興味をそそられるような状態に持っていけるような質問」。
先ほどの要領でとりあえず話しかけたならば、軽くアイスブレイクを挟むなりしてから、その人のパーソナリティや価値観を垣間見ることのできるような質問をいくつか投げかける。
「今日はどうしてここに?」
「何が好きですか」
「趣味は何ですか?」
「普段/休日は何をしていますか」
「どんなお仕事されてるんですか?」
「サークルや部活は何かやってるんですか?」
「どうしてそのお仕事/活動をはじめたのですか?」
「野望とかあるんですか?」
などといったシンプルな質問でも随分広がる。
私は純粋にそういうのが気になるので、状況を見つつそういった質問をよく発する。
こういった質問を会話の流れの中で投げかけて、相手の日常や思考プロセス、ビジョンなどを探ることで、何に取り組み、何に価値を置き、何を喜びに生きているのかなどを少しでも知ろうとする。
そうすればきっと、その人の魅力を何かしら発見することができ、会話が盛り上がる。
それでもつまらなければ他に行けばいい。
また、ただ相手を知るだけでは、相手にとっての発見がない。
会話を円滑に進めるためにも、そして今後の関係の発展を少しでも期待するなら一層、興味を抱いてもらうために、自分が魅力的に伝わるよう相手に応じて工夫することが重要になる。
魅力は発信しなければ伝わらない。
他とは一線を画す尖った情報は、人の興味を喚起する。
逆に言えば、いくら尖った人物であっても、情報がなければ興味の抱きようがない。
授業でよく近くに座っている知らない人が、実はめちゃくちゃ面白い奴であることを知らずに卒業してゆく。それはもったいない。
だから、自己アピールをする。
やりすぎると不自然で不格好だが、誰かが分かってくれるだろうなどという消極的な姿勢では機を逃すばかり。
のちに繋がる出逢いを期待するのなら、ある程度アグレッシブに行かなければ、その場にいる意義は大きく損じる。
その数週間後の年末、富士山樹海野宿を経てヒッチハイクで大阪梅田に移動して高校の同窓会に参加した際は、背負っていた大きなリュックを発端に、意図せずとも元同級生たちの好奇心を大いにそそることになった。
その後成り行きで辿り着いた立ち飲みバーでも、そのエピソードのインパクトにより周囲の尊敬を勝ち取り、男女問わず様々な人から連絡先交換を提案されるなどした。
そして、そこで出逢った一人に、翌日の昼飲みに誘われ、またそこで十数名との新しい出逢いがあり、楽しい時間を過ごした。立ち飲みバーで出逢った他の人たちからも何人かから後日会おうと誘われたし、1年以上経っても関係が続いている。
つまり、インパクトのあるエピソードひとつで、機会が大いに拡がった。
このように、即出ししても自然な、自分のパーソナリティや生活を垣間見せることのできるインパクトのあるエピソードを用意しておくと良い。
意図せずともその効果は絶大であったので、これを推奨する。
相手を知ることと、自分を知ってもらうこと。
互いが互いに仲良くなりたいと思えるような状態をつくりたいのなら、この二つが偏ってしまえば、あまり意味はないので、バランスを意識しなければならない。
また、相手の興味関心に応じて、引き出す自分の魅力情報を使い分けることも意識しておきたい。
同時に心掛けるべきは「相手を安心・リラックスさせる雰囲気」。
これは基本的なことだろう。怖い表情をした奴が話しかけてきたら不安になる。
だから、表情や姿勢、声色などに関して、明るく穏やかな雰囲気を心掛ける。
それは、相手の発話を促すためにも重要だ。私は結構厳ついと言われるので、注意するようになった。
まとめ
というわけで、立食パーティ等でのコミュニケーションにおける五つの心得。
「暗示」
周りにいる人たちは皆、自分にとって何かしら興味深い一面を持っている、と考える
「決断」
誰でもいいからとりあえず話しかける相手を決めてしまう
「質問」
好奇心ベースで相手のパーソナリティや価値観を知るための質問をする
「開示」
自分の魅力が伝わるように喋る(自分の性質や価値観を知ってもらえるようなインパクトのあるエピソードを自然な流れで会話に取り入れるとなお良い)
「雰囲気」
親しみやすい雰囲気を心掛ける(表情、姿勢、声色など)
おまけ:覚え方
アンジーのケツから糞が解放されたせいでシーツが汚れた
アンジー(暗示)のケツ(決断)から糞(雰囲気)が解放(開示)されたせいでシーツ(質問)が汚れた
10回ほど音読して頭に叩き込んでしまいましょう。
2018.02
コメント
5つも必要ない。たった一つ、「愛」があれば事足ります。