日本人は比較的クローズドで人見知りでよそよそしい傾向にあると言われている。
ラテンアメリカで1年間過ごした経験からしても、それは間違いではないと思う。
オープンマインドでフレンドリーな人間の割合が明らかに多かった。
現地では外国人である私に対しても、現地人同士のコミュニケーションを見てもそうだった。
そんな傾向の要因は文化だの遺伝子だのと色々言われている。
これに関して、留学から帰ってきて幾許も経たない頃、感じたことが二つある。
一つは「敬語」の存在。
敬語の存在感が強いため、年齢差による壁ができやすいのではないか。
そしてもう一つは敬語の長さ。
特に、語尾につける「ございます」。
例えば、誰かが道を譲ってくれたとき、日本語だと基本的に「ありがとう」ではなく「ありがとうございます」と言うことになる。
長いと、言いにくいし、言い出しにくい。
なお、年配の人が言う場合、初対面であっても年下に対しては「ありがとう」や「どうも」、「おはよう」などで済むが、逆は許容されにくい。
一方、初対面でも年齢差があったとしても、英語はThank you、スペイン語はGraciasで違和感がない。
very muchやmuchasをつければより丁寧になるが、つけなくても「ありがとう」ほどのフランクさにはならないように思う。
日本では関係が浅い場合は丁寧な表現が用いられるが、丁寧な表現にすると長くなってしまうことによって、気軽に発しにくくなってしまう。
その結果、咄嗟に出にくくなる。コミュニケーションが始まりにくくなる。
日本人がよそよそしい、オープンでないと言われる背景には、そんな事情も多少はあるのではないかと思う。
2019.02.10
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